クコルカ.128kbps

冷蔵庫のメモ感覚

坂ヤクザ

(坂ヤクザは2020/10/20にすすきののノルベサ内の駿河屋にて出現し、秋元組との抗争を開始させた、この抗争の終焉にはおよそ半世紀かかる)

 

 

 

 

久しぶりにブログを書こうと思った、正確にはずっとブログを書こうと思っていたけれど行動に移し切れていなかっただけだ。その日その日に書き留めておきたいことは発生していたけれども、記事を書くということは根気のいることで、完成させてしまう前に下書きに葬られてそのままの文章がいくつもあった。文を残したいと思った自分は日付線をまたいだ途端に消滅し、碇のないボートのように明日を放浪していく、それが心地良いなと思ったこともあったけれど(朝に恥ずかしくなるやつを想像しての惰性)、今日は何かを残そうと思えた、曖昧の産物だ(神々looks youなので)。

火曜は三講議授業が入っていたが、うち二つはオンライン上で行われるものであり、唯一の対面授業(2020年以降人と人がリアルに会って御教えを頂くことを人々は対面授業と呼び出していた)はその間に挟まった形で座していた。わざわざ登校するなら三つともいっぺんに対面で受けたいと思っていたが、講義が行われる白いビルにはwifiといった概念が(永遠に)(極地的に)ないらしいので、一つの短縮された80分授業のために、30分かけて北から南へと南下していくだけの通学路は、酷く湾曲しているように思えた。(人類が唯物論のように直線を描いて進歩していくものだと捉えているのは誰かの勘違いにすぎないのだろう、そんな一年だった)

白いビルの入り口には自動検温機が設置されていたが、二、三人がそのまえをシカトし通り過ぎたので、自分もそれに倣って進んだ。呆れと軽い優越感が湧き上がる、ここで罪悪感を感じるほど、僕はよくできていない。三階に上がり授業を受けて、教室を出てすぐに坂ヤクザに電話した。最短の手筈でこの白いビルから僕は去っていきたかった。

坂ヤクザと待ち合わせたのは必然的にmoleの前だったので、良い日だなと思った。(moleというのはでっかい音がするところ)未だにmoleが何丁目にあるのか覚えていないので、一、二丁の誤差をもってして向かった(豆腐みたいだね)。途中狸小路のベンチで、まるでチラシで棒を作るがごとく本をぞんざいに読んでいる人がいたが、歩きながら二、三秒見るに留めておいた。男は肩に星条旗のプリントされたショルダーバッグをかけていた。足を組んで猫背になりながら、片方の手で蓄えたその白い髭を弄りながら本を読む姿は、なんか知らんけど良い光景だった。油絵になってくれたら、じっと観賞してやろうと思えるやつだった。(天気も乾燥した晴れで好きだった)

坂ヤクザは世界一律儀なヤクザであるため、僕より既に早めに到着していた。横で中川さん(ここでいう中川さんはあの中川さんでまず間違い無いだろう)がなぜか立っていたが、坂ヤクザも自分も(まあいっか、、)的な感じで終わった。中川さんは常に謎に包まれているが、存在に謎の説得力がある人だった。それが今日も例外ではなかったというだけだ。

moleとその隣のコメダ珈琲店の間にある階段を降りると、キングコングというレコード屋さんがある(隣にはゆいまーるというメイド喫茶もある、ここも良いところらしい)。キングコングは往年のR&BやHip-Hop、Jazzのレコードが豊富なところで、とても楽しいところだ。店内のBGMは店長がその時々の気分で流しているようで、昨今のクラブミュージックなどを聴きながらLPをディグることができる、定休日だったけど。

坂ヤクザも自分もgoogleなどで店の定休日を調べておくという習慣が欠如していた、ここで問題なのは、定休日という存在に門前払いを食らうことにお互いが完全に慣れてしまっていて、なんの突っかかりもなく次のアクションを起こせてしまったことにある。そもそもに二人が会った口実がキングコングにいってレコードを漁ろう!だったのにだ。でも僕はこれくらいが好きだった。坂ヤクザもきっとそうなのだろう。これは他人からしたら僕らがだらしないと思われる点かもしれない。でも仕様の無いことのようにも思えた。

ノルベサ駿河屋に移動する間、坂ヤクザが何を言っていたのかはよく覚えていないが、愉快な話だったように思える。坂ヤクザが話す時、僕はその内容よりもその純真な目付きと口調が好きだった。(マスクをしていることが必須となったこのナウシカのような世界では、人々は目を見て相手の喜怒哀楽を察することに長けていた)大抵の人間は話の内容よりも人それぞれの口調、雰囲気を好んで近くにいることを望んでいる人が多いのではないだろうかと僕は思う。でなければ先週辺りに行った飲み会などでの会話をこんなに忘却している訳がないし、僕は人によって話の内容がひどく変化するからだ。

駿河屋には〇〇坂の写真が大量に売られていて、坂ヤクザは興奮して秋元康の悪口とセットに語り始めた(坂ヤクザなので)。自分もこれくらい熱量をこめて話せることがあればいいのになと、彼の演説を聞いて毎回思う。僕は彼の熱量を浴びながら、太陽ノックという曲が印象的だった生駒里奈という既に卒業してしまったメンバーの写真を見つけて、手にとった。

タワーレコードでは坂ヤクザのおすすめのアイドル音楽をCDを見ながら話した。ヤなことそっとミュートというアイドルの名前がいいよね、といわれ、確かにいいなと感じた。ヤなことはそっとミュートすればいいからである。(ヤなことはそっとミュートすればいいからである)そして彼はYMOtofubeatsなどのオタクでもあるので、LPコーナーにてYMOのメンバーないしtofubeatsを見かけるといちいち奇声を発したのち赤面し、呼吸を荒げた。LPを漁るたびに定期的にその反応をするので、彼とここにいるのがとても楽しいなと感じたことを覚えている。僕もLPのjames blakeのjames blakeを見つけて奇声赤面した後、購入した。ずっと欲しかったものなので丁度よかった。今日は良い日だなと感じた。

王将で僕らが1000円のセットメニューを頼み豪遊した後、みn...坂ヤクザが村瀬さん(サークルの先輩)に逢いに行きたいと言いだしたので、逢いにいくことにした。

久しぶりに会う村瀬さんはやはり村瀬さんで、その口調、雰囲気に癒された。カレーを食べに行きたい、808を僕も触りたい、札幌サンプ...などの話をした後、今日二人に会えたから良い日になったよ、とさらっと言われた。

こっちのセリフです、と思いながらその場を後にした。

 

 

 

 

10/21 A.M 5:06,

自室にてjames blakeと生駒里奈の顔が僕を見つめていた

この時間帯になってもまだ暗い季節になってきていて、JRタワーの赤い灯りが窓の外側で煌々としていた

三時間くらいブログを書いていた僕は、頭を左右に小刻みに振ってみた

少しスッキリした